2012年4月27日金曜日

当院におけるデュロテップパッチ使用ガイドライン


※下記は、医療関係者向けの専門的な内容となっています。ご了承下さい。

当院におけるデュロテップパッチ使用ガイドライン

@ デュロテップ開始の前提条件は、第一に、オピオイドに反応する痛みであること、第二に、痛みの程度が中程度以上のものであること、そして、第三に、痛みが安定していることである。

A デュロテップへの切り替えをうまく行うコツは、モルヒネ投与量がなるべく少ないうちに切り替えることである。

B デュロテップパッチ使用にあたっては、モルヒネ製剤使用時と同様、非ステロイド系消炎鎮痛剤(ボルタレン坐薬、ロキソニン等)の併用を場合によって考慮することが望ましい。

C デュロテップパッチへ切り替え直後は、痛みが出現する可能性がある(初回貼付後、血中濃度が定常状態に達するまで約24時間かかる)ことを考慮して、積極的にレスキューを用い、十分な鎮痛が得られるまでデュロテップパッチの増量を繰り返す必要がある。しかし、レスキューモルヒネが頻回にわたり必要な状態では、モルヒネの副作用が持続してしまうため、フェンタニルの利点が引き出せない。したがって、患者が楽になったと感じられるまで適切にデュロテップパッチの貼付量を増量させることが必要である。
(ドイツでは100:1の換算比が用いられているが、わが国では初期投与量を100:1の換算で使用することは認められていない。)


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D デュロテップパッチ貼付時の突出痛発現のレスキューは原則として塩酸モルヒネ散を用いる。モルヒネ量の計算方法は、〔デュロテップの量(mg数)×4〕mg/回とする。ただし、高齢者や腎機能低下例などのハイリスク群の患者では半量投与とし、鎮痛の状況をみて必要があれば増量する。

E 簡単で有効なデュロテップパッチの選び方として、
・疼痛コントロール良好の場合は、経口モルヒネ1日量を30で割った値に一番近い値のパッチサイズを選ぶ。
モルヒネ120mg÷30=4→5mg
・疼痛コントロール不良の場合は、経口モルヒネ1日量を20で割った値に一番近い値のパッチサイズを選ぶ。
モルヒネ120mg÷20=6→7.5mg

※ ただし、わが国で認められているデュロテップパッチの初回貼付用量は、7.5mg/回 までである。

F モルヒネ皮下注・静注からの換算は、経口モルヒネ:モルヒネ注=1:2〜3と考えられているので、モルヒネ1日注射量を10で割った値に数字一番近い値のパッチサイズを選ぶ。
モルヒネ24mg/日→2.5mg モルヒネ48mg/日→5mg

G 増量の方法の目安として、
・レスキューのモルヒネ量が45mg/日を超える場合に、3日毎に2.5mgずつパッチサイズを増量する。
・1日3回以上のレスキュードーズを必要とする場合25〜50%増を目安にパッチサイズを増量する。
パッチ10mg→12.5mg→15mg→20mg


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H デュロテップパッチより他のオピオイド鎮痛薬に変更する場合は、他のオピオイド鎮痛薬の投与は低用量から開始し、患者の状態を観察しながら適切な鎮痛効果が得られるまで漸増すること。(経口モルヒネとの換算比150:1でモルヒネ製剤に切り替えた場合は、モルヒネ過量投与となる可能性が高いため)

I 動作により皮膚が伸縮する部位への貼付は、剥がれやすいので避ける。

J デュロテップパッチを複数枚貼付する場合は、パッチの間隔を開けて貼付する。隙間なく貼付した場合、パッチの縁が固いため皮下出血を起こす場合がある。また、薬物貯留層に含まれるアルコール成分による皮膚の発赤や痒みがみられる場合がある。

K モルヒネ大量投与例でデュロテップパッチに切り替えた場合は、退薬症状が出る場合がある。耐薬症状は精神不安などの症状であるが、その中でも、生あくびが非常に特徴的である。その場合モルヒネを少量飲ませると効果的である。

☆モルヒネの耐薬症状
全身症状  :悪寒戦慄、関節痛、流感様症状
消化器症状 :腹痛、嘔気、嘔吐、下痢
自律神経症状:流涙、鼻漏、発汗
神経症状  :頭痛、感覚異常(paraesthesia)
精神症状  :不安、いらいら、不穏  など


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L フェンタニルの過量投与により重篤な換気低下を示すことがある。換気低下が起きたら直ちに本剤を剥離し、患者をゆり動かしたり、話しかけたりして目を覚まさせておく。呼吸回数が6〜8回/分へ低下した場合は、麻薬拮抗剤(塩酸ナロキソン、酒石酸レバロルファンなど)の投与を行う。患者に退薬症候や麻薬拮抗剤の副作用、鎮痛作用の低下に伴う激痛が発現しないよう慎重に投与する。なお、麻薬拮抗剤の作用持続時間は本剤の作用時間より短いので、患者の反応に応じて、初回投与後は注入速度を調節しながら持続静注する。臨床的に(処置)可能な状況であれば、患者の気道確保、酸素吸入にて、呼吸コントロールを補助・管理する。適切な体温維持と水分摂取を維持する。また、重度かつ持続的な低血圧が続いた時は、適切な� ��液療法を行う。

M デュロテップパッチは、主として肝代謝酵素CYP3A4で代謝されるため、薬物間相互作用に注意が必要である。


・呼吸抑制、低血圧、めまい、口渇及び著明な鎮静又は昏睡が起こることがあるので、本剤又は次の薬剤の減量が必要。(相加的に中枢神経抑制作用が増強するため)
フェノチアジン系薬剤(セレネース、コントミン、ノバミン等)、ベンゾジアゼピン系薬剤(ハルシオン、エバミール、ネルボン、ホリゾン、デパス等)、バルビツール酸系薬剤(フェノバール等)、吸入麻酔剤、モノアミン酸化酵素阻害剤(エフピー)、三環系坑うつ剤(トリプタノール、トフラニール等)、骨格筋弛緩剤(ミオナール、テルネリン、ムスカルム等)、鎮静坑ヒスタミン剤(アタラックスP等)、アルコール、オピオイド薬

・添付文書に記載はないが、グレープフルーツジュース、アゾール系抗真菌 剤(ジフルカン、イトリゾール等)、マクロライド系抗生剤(エリスロマイシン、クラリスロマイシン)、シメチジン(タガメット)などは、CYP3Aによる代謝を阻害するため、デュロテップの作用増強の可能性があり注意が必要である。

N 皮膚温38℃においてフェンタニルの血中濃度に有意な上昇がみられたとの報告があるので、40℃以上の長時間(30分以上)の入浴はなるべく避けたほうがよいと思われる。普段のシャワー浴や短時間の入浴であれば問題ない。

O フェンタニルがモルヒネに比較して、便秘の副作用が少ないのは、フェンタニルはμ1受容体への親和性が高く、便秘を引き起こすμ2受容体への作用が少ないからである。


P デュロテップパッチのTmaxは42時間、半減期は34.6時間である。また、本剤剥離後の血中フェンタニル濃度が50%減少するには、17時間以上かかるとの報告がある。

参考資料;CANCER PAIN フォーラムVol.2 1,2
デュロテップパッチ添付文書、インタビューフォーム



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